家紋は日本古来から伝わる紋章(エンブレム)です。
かつては平安時代に武家が戦陣の旗に紋を入れて苗字の代わりにし、公家は牛車に紋をいれたのがルーツとなりました。
文様としては植物、動物、建造物、器物、図象、など多岐にわたります。
中でも圧倒的に多いのが植物紋で、 日本の十大家紋と言われる「藤、片喰、木瓜、蔦、柏、桐、茗荷、沢潟、橘、鷹の羽」のうち鷹の羽を除いてすべて植物紋です。
もともと家紋の意味合いは地縁や血縁の共同体意識の象徴でした。
人々の生まれた土地に自生した植物や自然の形が家紋となっていったと考えられます。
かつては武士や公家の紋章でしたが、江戸から明治にかけて特殊な家紋(菊や葵)を除いて一般市民までもが幅広く家紋を使用するようになりました。
現在、日本の家紋の総数は約8,000から20,000種類と言われております。
家紋はまさに日本が世界に誇る文化財です。
かつては、膳、椀、提灯、などの日用品にも家紋をつけていて、日本人の生活の中に溶け込んでいましが、現代では、正装着物(紋付き)や墓石などにその姿を垣間見るだけになってしまいました。
ただ、昨今の和風ブームの中、密かに家紋が見直されてきております。
それは従来の地縁や血縁の象徴という意味合いよりも、モチーフとしての斬新さが人気の秘密になっているようで、必ずしも自分の家系の家紋にこだわらずに、好きな家紋を選んで使うという新しい広まりを見せています。
皆様も家紋に慣れ親しんで、どんどんと日本の粋のエッセンスに触れていただきたいと思います。
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