清拭とは、死後の処置でもあり、故人や患者などの身体を拭き清浄にすることをいいます。

病院などで全身の清拭が済んでいれば、遺体の露出している部分をアルコール綿で清め、髪を整え、男性の場合ひげをそり、女性の場合は薄化粧（おしろい、頬紅、口紅など）を施します。

この清拭は、死後にのみ行われるものではありません。

死装束とは、故人の死後、遺体に最後に着せる服のことをいいます。

経帷子を着て、脚には脚絆、手には手甲、足には白足袋に草鞋を履かせ、三途の川の渡し賃と言われる六文銭を入れた頭陀袋をかけ、頭には三角の天冠 （三角布）を着けるのが、従来の死装束とされていますが（真宗の門徒はこれを着用しない）、近年は死装束も多様化し、故人の希望や家族の希望で好みの服を 着せることも多くなってきました。

自分の死後に着させて欲しいものがあるのであれば、事前に家族に話しておきましょう。

また、死化粧とは、顔の色をいくらかでも生前に近いようにすることをいいます。髪を整え、男性の場合、ひげをそり、女性の場合は薄化粧をします。頬がこけている場合は、含み綿をします。

宇宙葬とは、葬式の種類の名ですが、納骨・埋葬をどこにするかです。

内容は実に様々で、樹木葬や、散骨などがあり、宇宙葬は、カプセルに遺骨を納め、衛星ロケットに乗せて宇宙へ打ち上げるやり方となります。

打ち上げるロケットには容積・質量の制約があることから、多くの例ではシリンダー状の容器に数グラムの遺骨を装填し、数十ないしは数百人分の遺骨を同時に打ち上げる方法がとられます。

2004年に行われた例では150人分の「散骨」が行われました。打ち上げに用いるロケットは、費用削減のため既存の商業ロケットを転用する場合が多いようです。

「宇宙葬」とはいうものの、実際にはロケット能力の制約などによって遺骨は地球の重力圏を離脱できず、地球周回軌道に乗せられる事が多く、そのため「スペースデブリ(宇宙ゴミ)の増加につながる」として、この行為に対する批判もあります。

ただし、これらの遺骨は上層大気から受ける抵抗によって徐々に高度を下げ、最終的には大気との摩擦によって「火葬」され、場合によっては流星となる可能性があります。

この発展形としては、人工衛星に遺骨を搭載するもの、月面や外宇宙に対して遺骨を打ち上げるものなどが検討されています。

シューメーカー・レヴィ第9彗星の共同発見者であるユージン・シューメーカーは1997年に交通事故で急逝したのち、2005年に遺骨が探査機ルナ・プロスペクターにより月に送られていますが、これは2008年に月面に対して遺骨が送られた唯一の例です。

また、冥王星の発見者クライド・トンボーは1997年の死後、遺骨の一部が2006年に打ち上げられた冥王星探査機ニュー・ホライズンズに搭載されました。

こちらも、2008年に外宇宙に向けて遺骨が打ち上げられた唯一の例であり、最近では、この宇宙葬も人気を集めるようになってきているようです。

宇宙葬の費用は、ズバリ10５万円（消費税含）。

この中には打ち上げ代、遺骨を納めるカプセル代のほかに、記念誌や打ち上げの様子を撮影したビデオ、証明書等が含まれます。

打ち上げを見学する際は旅行費用が別に必要です。

「自然へ還る」とはいっても、海への散骨や樹木葬に比べると費用はそれなりにかかります。

100万円と聞いて「高い！」という人もいれば「宇宙へ行くのに100万円は安い！」と感じる人もいるでしょう。